灰の質量maと空気の質量maを二重定義してしまいました.読むときは注意してください.
■ノルマルリューベ
気体を標準状態にしたときの体積.単位は[m^3N]とかく.例えば標準状態で理想気体が1[kmol]あったとしたら,22.4[m^3N]となる.この気体を等温変化で圧縮し,圧力がn倍になったとしたら体積は1/n倍となるが,このときも22.4[m^3N]となる.
(まぁ[mol]みたいなもんだな.いつも
で変換できそう.)
■理論酸素量
完全燃焼に必要な最小限の酸素量.
例として燃料に灰分(ash),炭素,水素,酸素,窒素,硫黄が入っている場合を考えてみる.それらの質量比を
のように表そう.この燃料が1[kg]あるとき(つまり燃料の成分の質量はそれぞれ上の比と等しい.)理論酸素量mo2min[kg/kg-fuel]は([-/kg-fuel]は燃料1kgあたりのという意味である.)
となる.化学反応式とモルと質量の換算を考えればよい.なお原子量は
とし,反応式は
であるとした.ここでHの化学反応式は見慣れないものになっているが,これは燃料内の水素は気体で存在しているわけではないからである.
なお理論酸素量を体積で表すと
である.
■理論空気量
完全燃焼に必要な最小限の乾き空気量.乾き空気量とは水蒸気の含まれていない空気のこと.
理論酸素量がわかっていれば,理論空気量はすぐに求めることができる.乾き空気に対する酸素の容積割合は0.21,質量割合は0.232であるとすると,理論空気量ma[kg/kg-fuel]は
となる.また体積で表すと
とわかる.
■実際空気量
実際に用いる空気量.実際には理論空気量とまったく同じ量を供給するわけではない.当たり前だろう.ここで空気比μ(空気過剰率)は以下のように定義される.
■燃焼ガス量
完全燃焼させたあとのガスの量.燃料の成分の灰量以外は燃焼していると考える.燃焼ガスの質量は実際空気の質量と燃料が気化した分(灰以外)の質量の合計であるので
とかける.体積で考えると,完全燃焼させた後の燃焼ガスの体積は余った空気の体積と発生したガスの体積の合計であるので
となる.最初の二項が余った空気の体積であり,残りの項は発生したガスの体積である.
■絶対湿度
空気中の水分の量を表す量として絶対湿度xを
と定義する.
maは乾き空気の質量,mwは水蒸気の質量である.分圧をPa、Pwとすればそれぞれの状態方程式は
となる.(やべ.上の式で=間違えた.定義じゃないからここは普通の=.)なおMは分子量,Roは気体定数、Tは温度である.この関係を用いれば絶対湿度xは
と表すことができる.
■湿り燃焼ガス量
空気中の水分を含めた燃焼ガス量.つまり空気中の水分と燃料の合計である.したがって式で表すと
となる.
■乾き燃焼ガス量
湿り燃焼ガス量からすべての水蒸気を取り除いたもの.燃料ガスから気化した水分と水素より生じた水分を減じてやればよいので
となる.